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アメリカの郵便事情~大統領選挙の郵便投票で思い出したこと

公認会計士・税理士 森 智幸

1.大統領選挙の郵便投票に思うこと

 アメリカ大統領選挙の郵便投票で思い出しましたが、アメリカの郵政公社(USPS)の配達は日本の郵便局のように丁寧に行っていないので、郵便投票も正直申し上げて、かなり危ないと思っています。

 D.Trump氏もこのあたりも含めて言ってるのではないかと思います。そのため、決して無茶苦茶なことを言ってるのではないと私は思っています。

 今回は、アメリカへ荷物を発送するときの注意点を自分自身の経験に基づいて書いてみたいと思います。

 なお、本稿は私見であることにご留意ください。

2.私が経験したアメリカの配送トラブル

 私の場合、アメリカへ監査に行ったときに荷物のトラブルがありました。

 

 アメリカ往査のときは出発の1週間前に監査調書を入れたトランクをアメリカのA州に送るのですが、それまでFedExで送っていたのに、あるとき当時のチームマネージャーが国内の運送会社(X社とします)による国際宅配にしてしまいました。

 

 しかし、A州についてもトランクは到着していません。

 調べると、国内運送はX社が担当しますが、日本の空港からアメリカの空港まではY社が輸送し、さらにアメリカ国内の運送はUSPSが担当していることがわかりました。

 このとき、現地の日本人の方が「Y社はアメリカ国内の運送はUSPSに委託するようになったんですよ」と教えてくれたのですが、後から思うとその方が若干不安そうだったように感じました。

 私は郵便局というと日本の郵便局のイメージがありましたから、当時は何も感じなかったのですが、しっかりと配達してくれるのは日本だからであって、アメリカの郵便局は必ずしもそうではないということが後からわかりました。

 

 このように、そこまでは突き止めましたが、肝心のトランクがどこにあるのかわからず、行方不明です。

 5日ほど待ってもトランクは到着せず、どうなっているのかと憤っていたら、ヘッドオフィスがあるB州のC市からこちらに向かっていたCEOが、集配センターに行ったらトランクを見つけたという連絡がありました。実際、彼がトランクを持ってきてくれました。これは奇跡です!

 

 なぜUSPSが、このように会社に届けてくれなかったのかは不明ですが、もしかしたら土曜日か日曜日に配達に来たものの、会社が休みなので持ち帰ったということが考えられます。しかし、それであれば不在票を置いていくはずですが、不在票もありませんでした。これは困ります。

 

 しかし、CEOがよく見つけてくれたと思うのですが、今から思うと(あくまで私の想像ですが)、その会社はそれまでもUSPSの配達で、似たような配送トラブルが何度かあったのではないかと思います。そのため、CEOが過去の経験に基づいて集配センターに行ってくれたのではないかと思います。 

3.国際配送の注意点~日本からアメリカの場合

 以上の経験に基づいて、日本からアメリカへ荷物を発送するときの注意点を記載したいと思います。

 まず、結論から申し上げますと、日本からアメリカへの発送はFedExにするのがよいと思います。

 なぜかというと、FedExであれば、日本からアメリカまで同一のシステムで管理されているので、荷物が行方不明になるリスクが極めて低いからです。

 

 2.のケースでは、国内運送会社のA社、国際運送会社のB社、USPSと3社にまたがって運送されています。このように運送会社が別々になると、システムも異なるのでA社から先は荷物の追跡が難しくなってしまいます。

 しかし、FedExであれば、日本もアメリカも同じFedExが扱うので、荷物が他社に行ってしまうことはありません。そのため、出荷から到着まで、荷物の移動状況が管理されているのでかなり安心です。(DHLもありますが、DHLはドイツ系の会社であるのに対してFedExはアメリカの会社なので、アメリカ国内の場合はFedExのほうが拠点も多いので強みがあると思います。)

 

 逆に、日本の運送会社による国際運送サービスは、他の運送会社が介在するので、私はあまりおすすめしません。

 確かに、FedExは料金が高いですが、それだけ荷物が確実に到着するという点で信頼がおけます。言ってみれば、運送の保険料分高くなっているとも言えるでしょう。

 

 特定の会社を推薦することは私のポリシーにはそぐわないですが、荷物を確実に届けるというのは、送る側の会社の信用と内部統制にも関わることなので、ご理解いただければと思います。