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理事会と評議員会の同日開催の可否について~社会福祉法人

公認会計士・税理士 森 智幸

1.はじめに

 社会福祉法人の決算月は3月と決まっていますが、この決算月である3月に、令和元年度の補正予算、令和2年度の事業計画及び収支予算の決議を、租税特別措置法第40条の関係で理事会と評議員会で行う予定とされている社会福祉法人も多いと思います。

 そこで、今回は、3月の理事会と評議員会の開催について、同日開催ができるかどうかについて記載したいと思います。

 なお、本稿は私見であることにご留意ください。

2.理事会と評議員会の同日開催はできるか

理事会の様子

 

 結論から申し上げますと、3月の理事会と評議員会は同日に開催することはできます。

 理事会と評議員会の間隔は、中14日以上空けなければならないと思われている方も多いですが、これは決算承認理事会と定時評議員会のときのみです。理由は(理事会の承認を受けた)計算書類等を定時評議員会の日の2週間前の日から主たる事務所に備え置かなければらないとされているからです(社会福祉法(以下「法」)45条の32①)。

 3月の事業計画及び収支予算の決議においては、このような計算書類等の備え置きは関係しませんから、中14日以上という間隔は全く関係がありません。

 また、招集通知は原則として1週間前までに行わなければならないことから、理事会と評議員会が同日に行うことはできない、原則1週間は空けなければならないのではないかと思われている方も多いですが、あらかじめ理事会の開催日を決定しておけば問題はありません。この点は次の3で説明します。

 従って、3月の事業計画及び収支予算の決議においては、理事会と評議員会を同じ日に開催することができます。

 

3.同日開催をするための手続~令和2年3月21日開催を例にすると・・・

(1)理事会で評議員会の招集の決定と理事会開催日の決定を行う

 まず、評議員会を開催するためには理事会で招集の決定を行う必要があります(法45条の9⑨、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法」)181条①)。

 これは3月よりも前に理事会を開催して決議しておく必要がありますが、決議の省略による方法でも可能です。

 ここで、評議員会の日時及び場所、議題・議案を決議します。開催日については、例えば令和2年3月21日とします。

 同時に、この理事会で、3月の理事会の開催日時や場所も決定しておきます。この場合だと、開催日は同じく令和2年3月21日です。

 ちなみに、社会福祉法人では、理事や評議員は本職がある人が多く、平日は全員が集まることが難しいので、土日祝日に理事会や評議員会を開催するところが多く見られます。

(2)理事会の招集を行う

 理事会を招集する者は、理事会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各理事及び各監事に対してその通知を発しなければなりませんので(法45条の14⑨、一般法94条①)、通知を発して理事会の招集を行います。

(3)評議員会の招集を行う

 また、評議員会についても、評議員会を招集するには、理事が、評議員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員に対して、書面(電磁的方法も可)でその通知を発しなければなりません(法45条の9⑨、一般法182条①②)。

 このようにして、令和2年3月21日の開催に向けて招集を行います。

(4)理事会の開催

 事業計画及び収支予算承認のための理事会を令和2年3月21日に開催します。

(5)評議員会の開催

 事業計画及び収支予算承認のための評議員会を同じ日である令和2年3月21日に開催します。

4.同日開催の注意点

 注意点としては、理事会と評議員会は同日に開催してもよいものの、同じ時間に同じ部屋で行ってはならないという点です。

 この点はご注意ください。社会福祉法が改正された平成29年3月31日以前はこのようなことが行われていた法人が多かったですが、これはもうできません。

 従って、例えば、午前中に理事会を開催して、午後に評議員会を開催するという方法が考えられます。

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