海外子会社の管理方法は?

Q 海外子会社がありますが、管理方法に悩んでいます。内部統制はどのようにすればよいですか?

A

 海外子会社は、多くの場合、現地の株式会社をM&Aにより子会社化したケースがほとんどです。

 このような現地の株式会社は、多くは非上場の会社であり、内部統制がしっかりしているとは限らないケースもよく見られます。

 

 地元の会計事務所による財務諸表監査を受けている場合もありますが、それで大丈夫かというと必ずしもそうではありません。内部統制に不備があれば、指導してほしいところですが、会計事務所がそこまで実施していないこともあります。

 

 私も、以前、アメリカの子会社の財務諸表監査のため、現地に往査をしていたことがありましたが、「?」と感じたこともありました。

 

 これは1つには、非上場の株式会社の財務諸表監査だと監査報酬があまり高くないということも影響していると思います。つまり、監査報酬があまり高くない場合、監査の工数を多くできないのです。そのため、懇切丁寧な助言を行うまでに至らないというわけです。

 

 このように、海外子会社は内部統制の脆弱性が見られる場合があるので、親会社の内部監査部門によるモニタリングは継続的に行う必要があります。

 また、日本の会社は、海外子会社に遠慮がちなところもあり、現地のやり方を優先させてしまうことも見受けられますが、現地任せにしないことも重要です。

 

 方策の案としては、日本の親会社が非上場の会社であっても、J-SOXに準じた内部統制の評価を海外子会社に対しても、毎期行うことが考えられます。

 レベルの高い内部統制は、内部統制の目的の1つである業務の有効性及び効率性の向上に役立ちます。また、このようにして、現地子会社の緊張感を常に高めておくことで、不正防止の抑止力も働きます。

 

 当事務所では、海外子会社の内部統制のデザインの構築や運用、内部監査のコソーシングなども行っていますので、ぜひご相談ください。